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台湾人の帰化条件を完全解説|年収・在留年数・審査基準のすべて

【目次】この記事でわかること

台湾人の方が日本国籍を取得して「日本人」になるためには、法務大臣の許可を受ける必要があります。しかし、日本に長く住んでいるからといって、誰でも簡単に許可されるわけではありません。帰化申請の審査では、国籍法で定められたいくつかの厳しい「条件(要件)」をすべてクリアしているかどうかが、提出された大量の書類をもとに厳格にチェックされます。本ページでは、台湾人の方が日本へ帰化する際に満たすべき基本条件と、実際の法務局の審査で特に厳しく見られる「年収・ビザの残り期間・税金・交通違反」などの実務的な審査基準について、帰化専門の行政書士が詳しく解説します。

台湾人が帰化するための「7つの基本条件」とは

日本の国籍法第5条では、帰化が許可されるための最低限の基準として、以下の7つの基本要件を定めています。

  1. 住所要件: 引き続き5年以上、日本に住所があること
  2. 能力要件: 年齢が18歳以上であり、本国の法律でも成人していること
  3. 素行要件: 真面目に生活しており、前科や交通違反、税金の未納がないこと
  4. 生計要件: 自分または家族の収入で、日本で安定して暮らしていけること
  5. 重国籍防止要件: 日本国籍の取得に伴い、台湾籍を喪失(または離脱)できること
  6. 憲法遵守要件: 日本の政府を暴力で破壊するような企てをしていないこと
  7. 日本語能力要件: 日常生活や業務に支障がないレベルの日本語が話せる・書けること

これらはあくまで法律上の最低基準です。実際の審査では、申請者一人ひとりの仕事、家族構成、これまでの在留歴などを総合的に判断して可否が決まります。以下で、台湾人の方が特につまずきやすい重要要件を深掘りして解説します。

引き続き5年以上日本に住所を有すること

住所要件の基本は「連続して5年以上、日本に住んでいること」です。

ただし、単に5年間日本に住民票があったとしても、仕事の長期出張や、台湾への里帰りで日本を長期間離れていると、この「引き続き」というカウントが途中でリセットされてしまう危険があります。

日本人と結婚している方の特例(簡易帰化) 日本人と結婚されている台湾人の方(配偶者ビザや永住者ビザなどをお持ちの方)は、この住所要件が大幅に緩和されます。

  • 日本在住が引き続き3年以上 であれば、5年待たずに帰化申請が可能です。この点、2026/04/01からの帰化要件厳格化を受けて国籍法7条前段(下記下線部)は、実務上無効として審査されるとの情報があります。

  • すでに婚姻生活が3年以上続いていれば、日本在住が引き続き1年以上 でも対象になります。

国籍法:第七条 日本国民の配偶者たる外国人で引き続き三年以上日本に住所又は居所を有し、かつ、現に日本に住所を有するものについては、法務大臣は、その者が第五条第一項第一号及び第二号の条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。日本国民の配偶者たる外国人で婚姻の日から三年を経過し、かつ、引き続き一年以上日本に住所を有するものについても、同様とする。

※「自分は特例に当てはまる?」「出国日数が多くて心配」という方は、個別の状況によって判断が異なるため、お気軽に当事務所の無料相談をご利用ください。

(※具体的な出国日数の目安と注意点については、下記の「【盲点】出国日数」の項目で詳しく解説します。)

直近の在留資格(ビザ)の期間は「1年以上」必要

5年以上日本に住んでいることに加え、現在持っている在留資格(ビザ)の在留期間が「1年(一定条件のとき※1)」または「3年」「5年」であることが必要です。もし現在の在留期間が「3か月」などの短期である場合は、帰化申請を受け付けてもらえません。就労ビザ(技術・人文知識・国際業務など)や配偶者ビザの更新を行った直後で、在留期間に余裕がある状態での申請が理想的です。

※1:一定条件とは、日本人配偶者との実態を伴った婚姻生活期間が3年以上ある方で、現在の日本人の配偶者等の在留資格の在留期間が1年の方。

【盲点】出張や里帰りで「年間100~150日以上」日本を離れた場合の対策

台湾人の方に最も多い落とし穴が「出国日数」です。仕事の長期出張や、台湾への里帰りで日本を長期間離れると、住所要件の「引き続き」というカウントがリセットされてしまう危険があります。

具体的には、「1回の出国で連続90日以上」または1年間で合計100~150日以上」日本を離れた場合、それまでに何年日本に住んでいても、居住年数がリセットされ、また1年目からのカウントになってしまう可能性が非常に高くなります。

仕事の都合などやむを得ない事情がある場合は、会社からの出張命令書などを提出して合理的な理由を説明する必要がありますが、基本的には出国日数が基準を超えている場合は、日数がクリアできるまで時期を待って申請するのが安全です。

【生計要件・素行要件】税金・年金・収入の審査基準

生計要件(経済的な安定)と素行要件(社会ルールへの適合)は、帰化申請で最も細かくチェックされ、不許可の原因になりやすいパートです。

特に台湾人の方の審査では、以下のポイントが厳格に見られます。

  • 会社員・経営者の収入: 安定した暮らしができる資産や収入があるか

  • 税金・年金の納付状況: 未納だけでなく「納期の遅れ」がないか

  • 交通違反の履歴: 過去5年間の違反回数が基準を超えていないか

※なお、日本人と結婚されている方の場合は「生計要件(本人に収入がなくても、配偶者の収入で生活できればOK)」などが緩和される特例(簡易帰化)がありますが、税金や年金などの「素行要件」は結婚していても同様に厳しく審査されます。

以下で、それぞれの具体的な審査基準と対策を解説します。

会社員・経営者の年収目安(300万円の壁と扶養家族数)

帰化申請において、法律上の明確な「必要年収額」は明記されていません。しかし実務上、独身の方であれば年収300万円以上がひとつの安心できる目安とされています。

ただし、この基準は「扶養家族の人数」によって変動します。例えば、本人の年収が400万円あっても、台湾にいる両親や日本国内の配偶者・子供など多くの家族を扶養に入れている場合、1人あたりの使えるお金が少なくなるため「生計が不安定」とみなされることがあります。逆に、年収が300万円を少し下回っていても、無駄な扶養がなく、毎月安定した貯蓄ができていれば許可されていたケースは、稀にではありますが過去にはありました。この点も帰化要件の厳格化を受けて永住審査と同じ水準が適用される見込みですので、事実上300万円三満たない年収では許可が見込めなくなっております。

経営者の場合は、個人の年収だけでなく、経営する会社の決算が赤字になっていないかも事実上しく審査されます。

新規投資による一時的なものであるときは、説明次第で問題視されないこともあります。

住民税・所得税の未納や遅納がないこと

会社員の方で、住民税が毎月の給与から天引き(特別徴収)されている場合は基本的に問題ありません。しかし、転職活動の合間などで自分で納付書を使って支払う期間(普通徴収)があった方は要注意です。

税金は「払っていればいい」のではなく、「納期限通りに遅れずに払っていること」が求められます。過去に未納がある場合は当然すべて支払う必要がありますが、支払っていても「納期が遅れていた」という履歴があると、素行要件で大きなマイナス評価を受けます。遅れた履歴がある場合は、その後12年間、適正な期限内納付の実績を積み上げてから申請する必要があります。

厚生年金・国民年金・医療保険(国民健康保険・健康保険等)の加入および保険料の支払い状況

年金に関しても、税金と同様に極めて厳しく審査されます。直近2年間の年金保険料の支払い状況が確認されるため、未納がある場合はすぐに解消しなければなりません。会社員の方で厚生年金に加入している場合は問題ありませんが、国民年金の方で未納や遅延がある場合は、過去の未納分を遡って支払い、その後一定期間(※2)きちんと期限通りに納付している実績を作る必要があります。

※2:医療保険(健康保険含む)及び国民年金(厚生年金含む)一定期間申請時から遡って最低でも24ケ月間の保険料の納期遅れがないことを求められます。

当事務所の強み:社会保険労務士法人の併設

帰化申請において、会社員・経営者の方が最も不安に思われるのが「税金・年金・社会保険」の整合性です。当事務所は社会保険労務士法人を併設しているため、労務と社保のプロの視点から、年金未納や手続き漏れがないかを申請前に精密に精査し、法務局に一発で受け付けられる状態へ整えることが可能です。

運転免許の交通違反(スピード違反・駐車違反)の回数とリセット期間

車やバイクを運転する方は、過去5年間の交通違反の経歴(運転記録証明書)を提出する必要があります。

「スピード違反や駐車違反などの軽微な違反なら大丈夫」と思われがちですが、過去5年間で56回以上といったように、軽微な違反であっても頻繁に繰り返している場合は「日本の法令を遵守する意識が低い(素行が悪い)」と判断され、不許可のリスクが高まります。

最後の違反から一定期間(目安として数ヶ月〜1年以上)が無事故・無違反であればリセットされる傾向がありますので、違反回数が多い方は時期を慎重に見極める必要があります。なお、酒気帯び運転や人身事故などの重い違反がある場合は、数年間は帰化申請ができません。

特に人身事故については、示談後で示談書の提出が可能な状態でなければ帰化許可は見込めません。

【能力・日本語要件】日本語能力の目安と面接対策

台湾籍の方の場合に、この日本語力不足により不許可といった例は先ず見当たりませんので、その他の国と比べて安心できる項目になると思います。日本国籍を取得するにあたり、日本で不自由なく暮らしていけるだけの日本語能力(能力要件)がチェックされます。

帰化の日本語審査においては、主に以下の2つの観点が見られます。

  • 日常会話のレベル: 面接官の質問を正しく理解し、自分の言葉で受け答えができるか

  • 読み書きのレベル: ひらがな、カタカナに加え、簡単な漢字の読み書きができるか

ハードルは「小学校2〜3年生程度」とされていますが、2026年現在、日本語確認の傾向は少しずつ厳格化の一途をたどっています。

以下で、具体的な審査の目安と、当日に向けた面接対策を詳しく見ていきましょう。

帰化面接で求められる日本語レベル(小学校2から3年生程度)

帰化申請で求められる日本語のレベルは、一般的に「日本の小学校3年生程度」と言われています。

非常に高い専門的な語学力が求められるわけではありませんが、日常の会話がスムーズにできること、ひらがな・カタカナのほか、簡単な漢字の読み書きができることが基準となります。法務局での事前相談や本申請の窓口でのやり取りを通じて、担当官が「この人は日本語でのコミュニケーションに問題がないか」を当然にチェックしています。

面接官がチェックするコミュニケーションのポイント

本申請が受理されてから数ヶ月後に、法務局で「帰化面接」が行われます。面接では、提出した申請書類の内容(来日の経緯、仕事の内容、家族関係など)について口頭で質問されます。

面接官がチェックしているのは、質問の意図を正しく理解し、自分の言葉できちんと回答できているかという点です。また、必要に応じて簡単な日本語の筆記テスト(簡単な読解や作文)が実施されることもあります。普通に日本で仕事をこなし、日常生活を送れている台湾人の方であれば過度に恐れる必要はありませんが、面接当日に緊張して書類と矛盾する回答をしてしまわないよう、事前の準備と確認が大切です。2026/04/01より日本語の試験が実施されていますが、同年6月現在では試験のレベルはこれまでと同じです。但し、今後の試験水準は高くなることが予想されています。

台湾人の帰化条件に関するよくある質問(Q&A

Q. 独身ですが、年収が300万円未満だと絶対に帰化は無理ですか?

A.絶対に無理というわけではありません。原則的に年収が常態的に300万円以上が求められます。一時的に年収の低い年があった場合で、転職活動や、休職、育児休業など一時的な低下を説明し、本来の稼得能力が生計要を満たすと判断されれば許可の可能性は残ります。但し、実際の帰化申請の場面では帰化申請の時期を遅らせて年収の実績を示すことにより、申請することを進められる可能性があります。また、毎月の収支が黒字で安定した生活が送れていると証明できれば、説明の補強となり得ます。生計要件は年収そのものだけでなく、「長年に亘、収入の範囲内で自立して安定して暮らせているか」が本質です。

Q. 台湾にいる両親を自分の「扶養」に入れていますが、審査に影響しますか?

A.影響する可能性が高いです。両親を扶養に入れることで所得税や住民税を節税できますが、帰化審査においては「それだけ多くの人間を養う経済的な負担がある」とみなされます。ご自身の年収に対して扶養人数が多すぎると、生計要件で不利になることがあるため、場合によっては申請前に扶養を外すなどの適切な手続きをご提案することもあります。

なお、素行要件の部分で言えば、扶養控除等申告書の提出時に「親族関係書類」を給与等の支払者に提出又は提示する必要があります。さらに、年末調整の際には、「38 万円送金書類」を給与等の支払者に提出又は提示する必要があります。

国外居住親族に係る扶養控除等の適用を受けるための手続の概要を教えてください。はこちらから➤(現在:更新中)

Q. 日本人と結婚している場合、帰化の条件は緩和されますか

A.はい、緩和されます(簡易帰化と言います)。日本人と婚姻している台湾人の方は他の国に比べてかなり多くいらっしゃるように見受けられますが、住所要件が「引き続き3年以上日本に住所を有すること」または「婚姻から3年が経過し、引き続き1年以上日本に住所を有すること」へと緩和され、10年住んでいなくても申請が可能になります。また、能力要件(年齢)なども一部緩和されます。

台湾人の帰化に必要な具体的な書類や、台湾本国からの戸籍の集め方については、「台湾人の帰化必要書類」および「台湾戸籍謄本の取得方法」のページで詳しく解説しています。

自分自身が条件を満たしているか確認したい方、不安な点がある方は、お気軽に当事務所の「無料相談お申込みフォーム」よりお問い合わせください。

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「監修:行政書士 五十嵐 博幸」

帰化申請・在留資格プロ・ステータス国際行政書士事務所
社会保険労務士法人
Pro Status

代表社員 五十嵐 博幸

  • 申請取次行政書士(登録番号16081232)
  • 特定社会保険労務士(登録番号13140526)
  • 労働者派遣元責任者講習講師
  • 外国人技能実習法定講習講師
  • 外国人技能実習監理団体 外部監査人
  • 新宿区主催ワークライフ・バランス推進セミナー講師(2024年/2025年)
  • 2016年 帰化申請・在留資格プロ・ステータス国際行政書士事務所 設立
  • 2019年 社会保険労務士法人Pro Status 設立

 

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