ブラジル人は日本に帰化できる?
ブラジル籍の方も帰化申請が可能
ブラジル国籍を持つ外国人の方も、日本への帰化を申請することができます。
日本の国籍法では、日本国民でない外国人は、帰化によって日本国籍を取得できるとされています。帰化には法務大臣の許可が必要です。そのため、
- ブラジルで生まれた方
- 日本に長期間住んでいる方
- 日系ブラジル人の方
- 日本人と結婚している方
なども、帰化の条件を満たせば申請を検討できます。
もっとも、ブラジル国籍であることだけで帰化が認められるわけではありません。日本での居住状況、在留資格、仕事や収入、納税状況、家族関係などを含めて、申請者ごとに条件を確認する必要があります。
帰化には法律上の条件がある
一般的な帰化については、国籍法第5条に条件が定められています。主な条件は次のとおりです。
- 引き続き5年以上日本に住所を有していること
- 原則として18歳以上で、本国法上も成人であること
- 素行が善良であること
- 日本で安定して生活できること
- 原則として、帰化によって従来の国籍を失うこと
- 日本国憲法や政府を暴力で破壊することを企てる団体等に関係していないこと
また、法務局は、日常生活に支障のない程度の日本語能力や、日本社会への融和についても案内しています。
なお、これらの条件を満たしていても、必ず帰化が許可されるとは限りません。法務局も、これらは帰化のための最低限の条件であると説明しています。
ブラジル人の帰化申請の条件
住所に関する条件
一般的な帰化では、帰化申請をする時まで、引き続き5年以上日本に住所を有していることが必要です。
また、単に日本に滞在していた期間だけではなく、適法な在留資格をもって日本に住所を有していることが必要です。そのため、帰化を検討しているブラジル人の方は、
- いつ日本に来たのか
- どのような在留資格で生活してきたのか
- 過去に住所を海外へ移したことがあるか
- 長期間ブラジルなど海外に滞在したことがあるか
などを確認しておくことが重要です。
日本に継続して住んでいる場合
日本で継続して生活し、適法な在留資格を有している場合には、原則として5年以上の住所条件を確認します。
ただし、「日本に来てから5年経過した」というだけで帰化の住所条件を満たすとは限りません。これまでの住所歴や在留状況などを含めて判断する必要があります。法務局では、帰化相談の際に住民票などによって法定住所期間の居住歴を確認しています。
海外滞在がある場合
ブラジルへの帰国など、日本国外への滞在がある場合には注意が必要です。帰化では「引き続き日本に住所を有していること」が基本的な条件となるため、長期間の海外滞在がある場合には、住所条件への影響を個別に確認する必要があります。
例えば、
- ブラジルに長期間帰国した
- 海外勤務をしていた
- 日本とブラジルを頻繁に行き来している
- 海外で生活していた期間がある
といった場合には、出国・帰国の時期を整理しておくとよいでしょう。
素行・税金・年金に関する条件
帰化では、素行が善良であることが条件の一つです。法務局は、素行が善良であるかについて、犯罪歴の有無や内容、納税状況、社会への迷惑の有無などを総合的に考慮すると説明しています。
そのため、ブラジル人の帰化申請では、例えば次のような事項を確認しておくことが重要です。
- 税金を適切に納付しているか
- 年金や社会保険料に未納がないか
- 犯罪歴がないか
- 交通違反などの履歴がないか
- 必要な行政手続きを適切に行っているか
税金や年金については、単に現在の状況だけではなく、過去の納付状況なども確認される場合があります。帰化を考えている場合には、早い段階で納税・年金・社会保険などの状況を確認しておくことをおすすめします。
生計に関する条件
帰化には、日本で安定して生活できることという生計条件があります。国籍法では、本人または生計を同じくする配偶者その他の親族の資産や技能によって、生計を営むことができることが条件とされています。
この条件は、必ずしも本人だけの収入で判断されるものではありません。例えば、本人に収入がなくても、配偶者に安定した収入があり、家族として日本で生活できる場合には、生計条件を満たす可能性があります。
会社員、自営業者、配偶者の扶養を受けている方など、生活状況によって確認すべき内容は異なります。
国籍に関する条件
帰化では、現在の国籍についても条件があります。
国籍法では、原則として、帰化によって従来の国籍を失うことなどが条件として定められています。また、本人の意思によって国籍を離脱できない場合には例外が設けられています。
ブラジル国籍の方が日本への帰化を検討する場合には、日本の国籍法だけでなく、ブラジル側の国籍に関する制度についても確認することが重要です。
なお、ブラジル国籍を含む具体的な国籍の扱いについては、個々の事情によって異なるため、単純に「日本へ帰化すればブラジル国籍が自動的になくなる」と判断することは避けるべきです。
国籍について詳しくは、以下の記事で解説します。
→ ブラジル人の帰化と国籍日本語能力について
ブラジル人の帰化申請では、日本語能力についても確認しておきたいポイントです。
法務局は、日常生活に支障のない程度の日本語能力として、会話及び読み書きの能力を有することなどを案内しています。そのため、帰化を検討する方は、
- 日本語で日常会話ができるか
- ひらがな・カタカナを読み書きできるか
- 基本的な漢字を理解できるか
- 日本語で書類の内容を理解できるか
などを確認しておくとよいでしょう。日本語能力試験などの資格だけで帰化の可否が決まるわけではなく、実際に日本で生活するための日本語能力が重要です。
日系ブラジル人・日本人配偶者の場合
日系ブラジル人の場合
日系ブラジル人の方は、日本人との具体的な身分関係によっては、一般的な帰化とは異なる条件が適用される場合があります。
日本の国籍法では、日本で生まれた方、日本人の子、日本人の配偶者、かつて日本人であった方など、日本と特別な関係を持つ外国人について、一定の条件を緩和する規定があります。
ただし、「日系ブラジル人であれば、誰でも帰化条件が緩和される」という意味ではありません。
例えば、
- 日本人の親がいる
- 日本人の子がいる
- 日本で生まれている
- 日本人との婚姻関係がある
など、具体的な事情によって適用される規定が変わります。日系ブラジル人の帰化については、親族関係や出生関係などを含めて個別に確認することが重要です。
→ 詳しくは「日系ブラジル人の帰化申請」をご覧ください日本人と結婚している場合
ブラジル人の方が日本人と結婚している場合、一定の条件のもとで帰化要件が緩和されることがあります。
例えば、日本人の配偶者については、婚姻期間や日本での居住状況などに応じて、一般的な5年の住所条件とは異なる扱いがされる場合があります。
ただし、日本人と結婚しているだけで、日本国籍を取得できるわけではありません。住所条件以外にも、素行、生計、国籍などについて確認が必要です。
ブラジル人の帰化申請で確認したいポイント
帰化を検討しているブラジル人の方は、まず次の点を整理してみましょう。
- 日本に継続して住んでいる期間
- 現在の在留資格
- 過去の海外滞在歴
- 仕事・収入の状況
- 税金・年金・社会保険の納付状況
- 犯罪・交通違反などの履歴
- 配偶者や子どもなどの家族関係
- 日本人の親族がいるか
- 日本語の会話・読み書き能力
- 現在のブラジル国籍についての状況
特に、「日本に5年以上住んでいるから帰化できる」と単純に判断しないことが重要です。帰化の条件を満たしているかどうかは、複数の事情を総合的に確認する必要があります。法務局も、一般的な条件を満たしていても必ず帰化が許可されるわけではないと説明しています。
また、帰化申請に必要な書類は、国籍、職業、家族構成などによって大きく異なります。必要書類については、次の記事で詳しく解説しています。
→ ブラジル人の帰化申請|必要書類ブラジル人の帰化申請Q&A
Q1ブラジル人でも日本に帰化できますか?▾
はい。ブラジル国籍の方も、日本の国籍法に定められた条件を満たし、法務大臣の許可を受けることで日本国籍を取得できます。
Q2日本に5年以上住んでいれば帰化できますか?▾
一般的な帰化では5年以上の住所条件があります。ただし、5年以上日本に住んでいることだけで帰化が許可されるわけではありません。素行、生計、国籍など、その他の条件も確認する必要があります。
Q3日本人と結婚すれば帰化できますか?▾
日本人の配偶者については、一定の条件のもとで帰化要件が緩和される場合があります。ただし、結婚しただけで自動的に日本国籍を取得できるわけではありません。
Q4日系ブラジル人なら帰化条件は緩和されますか?▾
日本人との具体的な親族関係や出生などの事情によって、条件が緩和される場合があります。一方、「日系ブラジル人」というだけで一律に条件が緩和されるわけではありません。
Q5税金や年金の未納があると帰化できませんか?▾
納税状況などは、素行条件を判断する際の考慮事項の一つです。未納がある場合に一律に帰化できないと判断することはできませんが、未納の内容や期間、現在の状況などを確認する必要があります。
Q6ブラジルへ長期間帰国したことがあります。帰化できますか?▾
海外滞在がある場合には、日本での住所が「引き続き」維持されているかを確認する必要があります。長期間ブラジルに滞在したことがある方は、出国・帰国の履歴を整理したうえで、法務局に相談することをおすすめします。
Q7帰化には日本語能力が必要ですか?▾
法務局は、日常生活に支障のない程度の日本語能力、具体的には会話及び読み書きの能力などを案内しています。
Q8帰化の条件を満たしているか、どこで確認できますか?▾
帰化に関する相談は、住所地を管轄する法務局で行います。法務局によって相談方法が異なるため、事前に管轄法務局へ確認することが必要です。例えば東京法務局では、帰化に関する国籍相談は予約制となっています。
まとめ
ブラジル国籍の方も、日本の国籍法に定められた条件を満たすことで、日本への帰化を申請することができます。
一般的な帰化では、
- 引き続き5年以上日本に住所を有していること
- 原則として18歳以上で、本国法上も成人であること
- 素行が善良であること
- 日本で安定した生活を営めること
- 国籍に関する条件を満たすこと
- 憲法遵守に関する条件を満たすこと
などが基本的な条件です。さらに、日本語による日常会話や読み書きなど、日本社会への融和も確認されます。
ただし、日本人の配偶者や日本人の子、日本で生まれた方などは、一定の条件のもとで帰化要件が緩和される場合があります。
帰化申請を検討しているブラジル人の方は、まず自分の日本での居住歴、在留資格、仕事・収入、税金・年金、家族関係などを整理しておくとよいでしょう。必要書類については、申請者の国籍・職業・家族構成などによって異なるため、個別の確認が必要です。
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